キリスト教系の私立小学校を受験する場合、「隣人愛」や「他人を思いやる心」 はとても大切な要素です。考査の中でも、他人に優しく接することができるか、譲り合いの行動ができるか といった点が見られます。
しかし、「ものが貸せない」「すぐ喧嘩になってしまう」といった悩みを抱える親御さんも多いでしょう。譲り合いの精神は、急に教え込むのではなく、日々の生活の中で少しずつ育てていくことが大切です。
この記事では、年齢別に譲り合いの精神を育てる声かけや働きかけの方法 をご紹介します。
年齢別:譲り合いの精神を育てる方法
2~3歳(新年少):「共感」の土台をつくる時期
この時期は、まだ自分の欲求を優先しがちですが、他人の気持ちに気づき始める時期でもあります。
できること
✅ おもちゃを一緒に使う体験を増やす
✅ 他の子が使いたがっていることに気づかせる声かけをする
✅ 「貸してあげようね」ではなく「どうしようか?」と自分で考えさせる
声かけの例
「○○ちゃんもこのおもちゃで遊びたいみたいだね。どうしたら一緒に遊べるかな?」
「○○ちゃんが悲しそうだね。どうしたら楽しくなるかな?」
4~5歳(年少~年中):「相手を思いやる心」を育む時期
自分の気持ちを言葉で表現できるようになり、他人の気持ちを理解する力も育ってきます。
できること
✅ 貸し借りのルールを明確にする(順番を決める、時間を決めるなど)
✅ 「ありがとう」「どうぞ」のやり取りを意識させる
✅ 自分の気持ちと相手の気持ちを言葉で表現させる
声かけの例
「○○くんに『どうぞ』って言えて偉かったね。嬉しかったみたいだよ」
「順番を決めたら、みんなで楽しく遊べるね」
「さっき貸してもらったから、今度は貸してあげようか?」
5~6歳(年中~年長):「協力して遊ぶこと」を楽しめる時期
小学校受験が近づくこの時期は、他人との協力や譲り合いが重要視される時期です。
できること
✅ 協力が必要な遊びを取り入れる(ボードゲーム、役割分担が必要な遊びなど)
✅ 「貸すことの楽しさ」を学ばせる
✅ 自分の気持ちを言葉で伝える練習をする
声かけの例
「○○くんに貸してあげたから、仲良く遊べて楽しそうだね」
「どうして貸したくなかったのか教えてくれる?」(気持ちを言葉にする練習)
「貸してあげると、相手も嬉しいし、また一緒に遊べるよね」
日々の生活でできること
1. 家族での「譲り合い」を実践する
家庭の中で、譲り合いの姿勢を親が見本として示すこと が重要です。
例
- 「お母さんが先に使っていたけど、どうぞって言うね」
- 「今日はお父さんにテレビを譲ってみようか?」
親が譲り合う姿を見せることで、「譲ることの大切さ」 を子どもに自然と教えられます。
2. 友達や兄弟との関わり方をサポートする
子どもが他の子と遊んでいる場面を観察し、うまくいかないときはフォローする ようにしましょう。
フォローの例
- 「○○ちゃんが使いたがっているみたいだね。どうしようか?」と選択肢を提示する
- 「次は○○くんの番にしようね」と順番を意識させる
3. 「ありがとう」を意識する環境をつくる
「ありがとう」を言われると嬉しいことを体感させる ことが大切です。
取り組み例
- お手伝いをしてくれたときに必ず「ありがとう」と伝える
- お友達と遊んだ後に「ありがとうって言おうね」と促す
- 「○○くんが貸してくれたね。『ありがとう』って言うともっと仲良くなれるよ」
4. 譲り合う楽しさを教える
ただ「貸してあげなさい」と言うのではなく、「貸したことで良いことがあった」という経験をさせること がポイントです。
取り組み例
- 一緒に遊んで楽しかったことを言葉にする(「みんなで遊べたから楽しかったね」)
- 友達が笑顔になったことを褒める(「○○ちゃん、すごく喜んでたね!」)
面接で使えるエピソードにするために
小学校受験では、「他人を思いやる行動ができるか」 が評価されることが多いです。
普段の生活で身につけた 譲り合いの精神や思いやりの行動 は、面接でのエピソードとしても活かせます。
面接での回答例
「友達が遊びたいおもちゃを使っていたときに、『次に使っていいよ』と言って待つことができました。『ありがとう』と言ってくれて、とても嬉しかったです。」
まとめ
譲り合いの精神は、日々の生活の中で少しずつ育てていくもの です。急にできるようになるわけではないので、焦らずに取り組みましょう。
ポイントのまとめ
✅ 年齢に応じた声かけを意識する
✅ 家庭で譲り合いを実践する姿を見せる
✅ 「ありがとう」の大切さを伝える
✅ 譲り合いを楽しい体験として認識させる
キリスト教系の学校を受験する場合、「隣人愛」や「思いやり」を育むことが大切 です。親子で楽しく取り組みながら、自然に譲り合いの心を育てていきましょう。