小学校受験の準備として、ペットを飼うことを検討する家庭もあるでしょう。
生き物を育てる経験は、観察力や責任感、自然への興味関心を育てる という点で非常に有効です。
しかし、「受験対策のためだけにペットを飼うこと」は避けるべきです。
この記事では、ペット飼育のメリットと面接の例、そして絶対に忘れてはいけない大切なポイント について解説します。
ペット飼育が小学校受験に役立つ理由とは?
1. 観察力が養われる
ペットを飼うことで、毎日の観察が自然と習慣化される ようになります。
✅ 「今日は元気かな?」と体調や様子を観察する習慣がつく。
✅ 動きや仕草を観察することで、集中力が高まる。
✅ 小さな変化に気づく力が育つ。
面接での質問例:
「ペットを育てていて気づいたことを教えてください。」
「どうしてエサを食べないのか考えてみたことはありますか?」
2. 自然への興味関心がわく
生き物と触れ合うことで、自然や環境に対する興味が広がる こともメリットです。
✅ 「この魚はどうやって泳ぐの?」「虫はどうして土の中にいるの?」といった疑問が生まれる。
✅ 調べることの楽しさを知り、自分で学ぶ習慣がつく。
✅ 命のサイクル(成長、繁殖、死)を学ぶことができる。
面接での質問例:
「どうしてメダカを飼うことにしたのですか?」
「ペットを育てる中で学んだことを教えてください。」
3. 調べる習慣がつく
子どもがペットに興味を持つことで、自分から調べる習慣がつきやすくなります。
✅ 「エサは何を食べるの?」「どうやって世話をすればいいの?」といった疑問を持つ。
✅ 図鑑やインターネットで調べる習慣がつく。
✅ 「なぜ?」を大切にすることで、思考力が育つ。
面接での質問例:
「ペットのことを調べたことはありますか?」
「どうやって調べましたか?」
4. 責任感が育つ
ペットを育てることで、「命を預かる責任」を学ぶことができる という点は大きなメリットです。
✅ 毎日エサを与えることや、飼育環境を整えることを習慣化できる。
✅ 自分が世話をしないとペットが生きていけないことを学ぶ。
✅ 命を守ることの大切さを実感する。
面接での質問例:
「どうやってペットのお世話をしていますか?」
「ペットのお世話で大変だったことは何ですか?」
小学校受験の観点から見たペット飼育のメリット
- 観察力の向上: 小さな変化に気づく力が育つ。
- 探究心の育成: 自然や環境について興味を持つきっかけになる。
- 責任感の習得: 毎日の世話を通じて責任を持つことを学ぶ。
- 表現力の向上: ペットとの体験を言葉にして伝える力が身につく。
- 思いやりの心の育成: 相手の気持ちを考える習慣ができる。
ペット飼育で絶対に忘れてはいけないこと
「受験対策のためだけにペットを飼うこと」は避ける
ペットを飼うことは、「命を預かる責任」 を負うことです。
小学校受験に役立つからといって、無理にペットを飼うことは避けるべきです。
受験対策のために育てるなどというのは言語道断であり、生き物を飼う資格はありません。
1. 子どもの興味と意欲を尊重すること
ペットを飼う前に、子ども自身が本当に興味を持っているか確認することが大切です。面接対策のために親が買ってくるのは本末転倒です。
✅ 子どもが「なぜこの生き物を飼いたいのか?」を確認する。
✅ 自分で世話をする覚悟があるかを話し合う。
2. 親のサポートが不可欠であることを理解する
幼児の場合、全ての世話を自分で行うことは難しい です。
そのため、親がサポートすることが前提 になります。
✅ 「ペットのお世話をする時間」を親子で決めて守る。
✅ 体調管理や掃除など、親がフォローする部分を明確にする。
3. 命の大切さを教えること
ペットは必ずしも長生きするとは限りません。
病気や事故、寿命によって命を失うことがある ことも教えておきましょう。
✅ 命の循環を理解させる。
✅ ペットが亡くなったときの気持ちに寄り添う。
✅ 命を育むことの難しさと尊さを伝える。
筆者の経験
私は幼い頃、金魚を飼っていたことがあります。お祭りですくってきたんだと思いますが、父と一緒に、一生懸命お世話しました。
しばらくすると金魚は弱っていき、やがて死んでしまいました。
当然悲しみましたが、それ以上に、父が悲しみました。
「きんちゃん、死んじゃったな……」
父はそう言って泣きました。
大人なのに泣くんだと、大人でもこんなに泣いて悲しむほどに、命は大切なんだと、子どもながらにショックを受けました。
それ以来、気軽に虫を捕まえて飼ったりはしなくなりました。
気軽に飼える(買える)ペットもたくさんありますが、だからと言って気軽に手を出していいわけではないと思います。
命を預かる責任感と、喪失に伴う悲しみを、親はきちんと共有する覚悟が必要です。
その上で迎える命なら、きっとその家庭で幸せに生きられると思います。
どんなペットがおすすめか?
幼児でも飼いやすいペットの例
- メダカや金魚:小さな水槽で飼えるため賃貸でも飼育しやすい。
- カブトムシやクワガタ:成長の過程を観察する楽しさがある。
- ハムスター:世話がしやすく、触れ合いを通じて愛情を学べる。
面接で伝えられるエピソード例
面接で印象付けられるストーリーを3つ紹介します。それぞれ、熱帯魚、カブトムシ、ハムスターを飼っている家庭の設定です。
小学校受験の面接で、子どもがこんなふうに答えられると、生き物から素敵な学びを得られていると評価されることでしょう。
① 熱帯魚を飼っているケース
試験官
「お家でネオンテトラを飼っているんですね。大変だなと思ったことはありますか?」
幼児
「はい。最初は餌をたくさんあげすぎてしまって、水が汚れて魚たちが苦しそうになりました。それで、お父さんと一緒に本で調べて、一日にあげる餌の量をちゃんと決めました。今は魚も元気で、水もきれいです。」
試験官
「そこから何を学びましたか?」
幼児
「生き物を飼うには、きちんとルールを守ることが大切だと学びました。僕もお魚も、ルールがあった方がうまくいくんだなと思いました。」
② カブトムシを飼っているケース
試験官
「カブトムシを飼っていて嬉しかったことは何ですか?」
幼児
「夏に卵を産んでくれたことです。朝起きたら、土の中に小さな卵を見つけてすごく嬉しかったです。それから毎日卵を観察しました。」
試験官
「卵を観察してどんな気持ちになりましたか?」
幼児
「生き物は大切に育てると、命がつながっていくんだなと思って感動しました。僕も家族みんなに大切にしてもらっているので、僕もカブトムシをずっと大切にしようと思いました。」
③ ハムスターを飼っているケース
試験官
「お家で生き物のお世話をしたことはありますか?」
幼児
「はい、ハムスターのお世話をしています。」
試験官
「ハムスターのお世話で気をつけていることはありますか?」
幼児
「ハムスターは小さいので、触るときは優しくするようにしています。一度、強く持ってしまったらハムスターが怖がったので、それからは優しくなでるようになりました。相手の気持ちを考えて優しくすることが大事だと思いました」
まとめ:ペットは大切なことを教えてくれるが「受験対策の道具」ではない
ペット飼育で得られること
✅ 観察力、責任感、思いやりの心を育てる
✅ 自然への興味関心を引き出す
✅ 自分で調べる習慣をつける
絶対に忘れてはいけないこと
✅ 子ども自身が興味を持ち、自分で世話をする意欲を持つことが大前提。
✅ 親がしっかりサポートし、命を大切にすることを教える。
✅ ペットを「受験対策の道具」として扱わない。
ペットを飼うことは、子どもにとって素晴らしい学びの機会になります。
しかし、それが本当の意味で役立つためには、子ども自身の意欲と親のサポートが欠かせません。