「うちの子、数字にあまり関心がないみたいで……」
小学校受験を意識しはじめると、こうした不安を抱える保護者の方は少なくありません。
でも安心してください。数字の力は、「数字のドリルを解く」ことで自然に身につくものではなく、日常生活の中での気づきや“遊び”から育てていくことができる力です。
この記事では、小学校受験で数字の理解がなぜ大切なのか、数字に興味を持たせるための具体的なアプローチ を、家庭でできる方法を中心に詳しく解説します。
小学校受験における「数字の理解」とは?
単なる読み書きではない「数量感覚」
小学校受験では、以下のような問題が出題されます:
- 数の大小比較(1〜10、場合によっては20まで)
- 数の構成(例えば「5は、2と3に分けられる」など)
- 数の系列(1,2,3,…や2,4,6,…の並びの続き)
- 数の増減(+1、−1のような初歩的な加減)
つまり、「数字が書ける」よりも、「数量の感覚を理解しているか」が問われるのです。
数字に興味を持たせる方法【3つのステップ】
1. 数字と生活をつなげる
数字を“記号”として教えるのではなく、「生活の中にあるもの」として感じさせることが第一歩です。
日常でできる工夫:
- おやつの数を一緒に数える:「クッキー、何枚あるかな?」
- 買い物ごっこ:「100円で何個買える?」
- 階段を登りながら数える:「1、2、3…」
親子の会話にさりげなく数字を入れていくことで、数字が“自分に関係のあるもの”になります。
2. 「比べる・分ける」遊びを取り入れる
数字の感覚は、「どっちが多い?」「どうやって分ける?」といった具体的な操作を通して育ちます。
こんな遊びが効果的:
- お菓子を2人で分ける → 「平等に分けるにはどうすれば?」
- ブロックを並べて「長さ比べ」→ 「どっちが多い?何個多い?」
- おはじきやどんぐりを使って「足し算ごっこ」「引き算ごっこ」
指を動かして、実際に目で見て感じることで、数字の意味が具体的に理解できます。
3. 「遊び」として数字を取り入れる
数字は「勉強」ではなく「楽しいもの」として出会うことが重要です。
遊びのアイデア:
- トランプ:ババ抜きや神経衰弱などで数字を自然に認識
- すごろく:数字の順序やサイコロの目に親しめる
- 点つなぎ・ナンバーパズル:数の順番の理解に効果的
- カレンダーで日付を確認:「今日は何日?何曜日?」
「数字に触れる」経験を、なるべくポジティブな体験として与えることがポイントです。
数字に苦手意識を持たせないために
1. 書かせすぎない、正解させすぎない
数字を学ぶ初期に、「ドリルをどんどん解かせる」のは逆効果になることもあります。
まだ数量感覚が育っていない時期に、書くことや正解することを重視すると、「数字=面白くない」となってしまいがちです。
2. 正確さより「気づき」を褒める
たとえば:
- 「5の次は6だね」と言えた → 「すごいね、ちゃんと気づいたね」
- 「2と2で4になるんだよ」と思いついた → 「自分で見つけたね、かっこいいね」
“考えようとする姿勢”を肯定することが、学びへの好奇心を保ちます。
数字に親しむためのおすすめアイテム
1. サイコロ&すごろくセット
→ 順序数・数の操作の入門として最適。手作りでも◎。
2. ブロック・積み木・数字スタンプ
→ 数える、比べる、並べる遊びに活用できる。
3. トランプ・ウノ
→ 数字と遊びの融合。親子で楽しみながら自然に数に慣れる。
4. くもんの「はじめてのかず」シリーズや数字の絵本など
→ 絵や物語の中で、楽しみながら数の感覚を育てられる。
まとめ:数字は“暮らしの中にある楽しさ”として教える
数字に興味を持たせるためのポイントまとめ
ステップ | 内容 | 具体的な工夫 |
---|---|---|
数字と生活をつなげる | 数字を身近な存在に | おやつ、階段、買い物で数える |
比べる・分ける遊び | 数の感覚を具体的に | ブロック、お菓子、おはじきで遊ぶ |
遊びで自然に覚える | 数字=楽しい!を作る | トランプ、すごろく、絵本で親しむ |
小学校受験での数の力は、ペーパーの正解数ではなく、数そのものに親しみを持ち、自分の体験として理解できているかが問われます。
まずは「数字って面白い!」という感覚を、家庭の中で一緒に育てていきましょう。