せっかく興味を持ったのに…親が頑張りすぎるのはNG
「せっかく買ったのに、全然見ない…」
「最初は夢中だったのに、すぐ飽きた…」
こうした経験、子育てをしているとよくありますよね。特に小学校受験を考えていると、「興味を持ったことは伸ばしてあげなきゃ」と思い、つい親の方が熱心になってしまうことも。
でも、子どもの興味は常に変化するもの。無理に続けさせようとすると、せっかくの「好き」が「嫌い」に変わってしまうこともあります。今回は、親が一歩引くことの大切さについて考えてみたいと思います。
子どもの興味は「点」ではなく「線」
子どもの興味は、ある日突然生まれるように見えて、実はそれまでの経験の積み重ねの中で芽生えます。
例えば、電車が好きな子がいるとします。最初は「電車の形がかっこいい」という単純な理由かもしれません。でも、それが発展して路線図に興味を持ち、最終的には地理や社会に関心を広げていくこともあります。
しかし、親が「この子は電車好きだから!」と決めつけ、電車の図鑑や教材ばかり与えてしまうと、逆に子どもは興味を失ってしまうことも。興味は、点ではなく線のようにつながっていくもの。親が一つの興味に固執してしまうと、その先の広がりを妨げてしまう可能性があります。
ポイント
- 子どもの興味は「今ここだけ」ではなく、長い目で見る
- 「好き」を決めつけず、広がる余地を持たせる
- 親が限定しすぎると、興味の可能性が狭まる
興味の「ブーム」はあって当然
子どもは、ある時期に特定のものに夢中になることがあります。でも、それがずっと続くわけではありません。
例えば、昆虫にハマっていた子が、ある日突然「もう興味ない」と言い出すこともあります。でも、それは無駄なことではありません。昆虫への興味を通じて、観察力や探究心を育んだはず。そうした力は、次の「好き」に必ずつながっています。
「せっかく始めたんだから、もっとやろうよ!」と無理に続けさせるのではなく、「この子はこの経験から何を学んだのかな?」と視点を変えてみると、親も気持ちが楽になります。
ポイント
- 子どもの「好き」はブームのようなもの
- ある興味が終わっても、次の興味につながる
- 「好きだったのにやめた」ではなく「学んだから次へ」
親ができる「一歩引く」サポート
では、親はどのように関わればいいのでしょうか?
① 興味を深める環境を整える
子どもが興味を持ったら、それを楽しめる環境をさりげなく用意するのがポイント。例えば、宇宙に興味を持ったなら、宇宙に関する本を目立つ場所に置いておく、プラネタリウムに行くなど。子どもが「もっと知りたい」と思った時に、自然に手を伸ばせる環境を作りましょう。
② 「好き」への共感はするが、強制はしない
「○○にハマってるんだね、面白そうだね」と共感しつつも、「じゃあこれもやろう」と押しつけるのは控えめに。子どもが自分から進んでやることが大切です。
③ 興味が変わってもポジティブに受け止める
「また変わっちゃったの?」ではなく、「いろいろなことに興味が持てるってすごいね」と前向きに捉えましょう。子ども自身も「次に興味を持つこと」を自由に選べるようになります。
まとめ:親の役割は「広げる」こと、決めつけないこと
子どもの「好き」は変わっていくもの。だからこそ、「この子はこれが好き」と決めつけすぎず、興味の種が広がるサポートをすることが大切です。
親は一歩引いて、子どもが自由に興味を広げられる環境を整える。そうすることで、子どもは「自分で選ぶ力」を育み、結果として学びの幅も広がっていきます。
「好き」は押しつけるものではなく、自然に育つもの。大切なのは、親がそっと見守ることなのかもしれません。