小学校受験を目指す家庭にとって、合同説明会は学校選びに欠かせない貴重な機会です。しかし、ただ漠然と話を聞くだけでは、各校の違いや本質を見極めるのは難しいもの。
今回は、大手小学校受験教室の講師がおすすめする「合同説明会で絶対にすべきこと」、つまり事前に共通の質問を用意する重要性について、具体例を交えて深く掘り下げます。
なぜ「共通質問」を用意すべきなのか
合同説明会では、多くの学校が似たような魅力をアピールします。特色、教育理念、行事、進学実績…。どれも耳ざわりがよく、一見するとどの学校も素晴らしく感じられるでしょう。
しかし、実際に子どもが通うとなると、細かな違いが子どもの成長や家庭との相性に大きく影響します。
ここで役立つのが、同じ質問を各校にすることです。質問は同じでも、学校によって回答は微妙に、時には大きく異なります。その違いを比較することで、各校の本質や考え方を浮き彫りにできるのです。
たとえば、「子どもが小学校に通い始めたときに『行きたくない』と言ったら、どうアドバイスされますか?」という質問。この問いへの回答から、その学校が
- 子ども本人の気持ちをどう受け止めるか
- 親にどのような関わり方を求めるか
- 困難に対する学校側のスタンス
を読み取ることができます。
表面的な説明ではわからない「その学校らしさ」を知るために、共通質問の準備は不可欠なのです。
どんな共通質問を用意すればいいか
では、実際にどのような質問を用意すればよいのでしょうか。
以下に、特におすすめの「共通質問」をご紹介します。
1. 子どもが学校に行きたがらないときの対応
→入学後のサポート体制や、子どものメンタルケアへの考え方が見える質問です。
2. 学校生活で大切にしていること、特に伸ばしたい力は何か
→「学力重視」「個性重視」「協調性重視」など、学校が本当に育てたい子ども像が明らかになります。
3. 親に求める関わり方とは
→ボランティアや行事参加、家庭学習への関与度など、親の負担や役割について具体的に知ることができます。
4. 問題が起きた際、学校はどのように対応するか
→いじめやトラブル対応について、学校の誠実さや具体性を見極められます。
5. 学校が考える「理想の卒業生像」とは
→その学校が目指す教育の最終ゴールがわかり、家庭の教育方針と合致するか判断できます。
これらの質問をあらかじめ用意し、説明会ごとに記録して比較すると、単なる印象だけで学校を選んでしまうリスクを防げます。
実践する際のポイント
質問をするときの姿勢にも、気を配りたいところです。
まず、質問はコンパクトにまとめること。説明会は多くの保護者が参加しているため、長々と話すと他の方の迷惑になります。質問の意図を端的に伝え、回答を引き出すことを意識しましょう。
また、回答はすべてメモしておくこと。その場では納得しても、数校まわると細かな違いを忘れてしまいます。後日、家族で冷静に比較検討するためにも、具体的な表現や印象を残しておくことが大切です。
さらに、学校の公式回答だけでなく、雰囲気や対応の丁寧さもチェックしましょう。質問に対して誠実に答えてくれる学校かどうかも、信頼できるかの大きな判断材料になります。
まとめ・結論
合同説明会では、あらかじめ用意した「共通質問」を各学校に投げかけることで、それぞれの違いを鮮明に見極めることができます。
質問を通じて、その学校が子どもと家庭に本当に合うかを見抜く力を持つことが、後悔しない学校選びへの第一歩です。
自分たちの教育方針とマッチする学校を選ぶためにも、今から「聞きたい共通質問リスト」を作っておきましょう。