小学校受験では、「ルールを理解して守れるか」 が非常に重視されます。
これは単に「ルールを知っているか」ではなく、指示を聞いてその通りに動けるか、周囲に配慮しながらルールを守って行動できるか という、社会性・協調性・思考力 が問われているのです。
特に行動観察や集団遊びの試験では、以下のような場面が見られます:
- 「赤信号で止まる」など、決められたルールを正確に守れるか
- 「順番を守る」「交代する」など、他者との関係性の中でルールを活かせるか
- 集団の中で、自分勝手な行動をとらずに協調できるか
この記事では、ルール理解・ルール遵守の力を育てるために、家庭でできることやおすすめの遊び、意識づけのポイント を具体的に解説します。
小学校受験で求められる「ルールを守る力」とは
- 話を最後まで聞いてから行動する力(指示理解)
- ルールに基づいて自分の行動をコントロールする力(自己抑制)
- 他の子どもと協力・交代・譲る姿勢を持てるか(社会性・協調性)
- 失敗やトラブル時に感情を整えて対応できるか(感情コントロール)
これらはすべて、「集団の一員として学校生活を送れるかどうか」の指標として見られています。
家庭でできる「ルール理解・遵守」の育て方
1. 「わかりやすく、繰り返し伝える」
子どもは1回聞いただけではルールを理解しきれません。
家庭内のルールは、短く・具体的に・繰り返し伝えることが大切です。
例えば我が家では、「ご飯のときは、立ち歩かない」「使ったら戻す」ということを繰り返し伝えています。
ポイントは、「○○しないで」ではなく「○○しようね」と肯定形で伝えること。
親としては何度も同じ指摘をすることになるのでイライラすることもありますが、ここはじっと我慢です。
2. ルールがある遊びを取り入れる
遊びの中で自然にルールを覚え、守る習慣が身につきます。
おすすめの遊び
- すごろく・トランプ・かるた:順番を守る、ルールを覚えて動く
- 鬼ごっこ・じゃんけんゲーム:交代・勝ち負けを受け入れる
保育園や幼稚園で過ごす時間が多い子は、「順番を守る」「おもちゃは少し使ったら譲る」などの習慣が身につきやすいかもしれません。保育園通いのうちの子は特に意識することなく、順番を守る習慣がついていました。
3. お手伝いや役割分担を取り入れる
家庭の中で「自分の役割を果たす」経験をさせることで、責任感や自分の行動に対する自覚が生まれます。
我が家の例では、「使い終わったお皿をキッチンに返す係」「洗濯物をたたむ係」など、役割を与えてお手伝いをしてもらいます。できたら必ず「ありがとう」「助かったよ」と感謝の言葉をかけてあげています。
こうした日常の取り組みは、考査での指示行動のいい練習になると、大手塾の先生はおっしゃっています。
4. 「ルールを守ったこと」を言葉で肯定する
✅「ちゃんと順番を待てたね」
✅「最後まで約束を守っててえらかったね」
叱るよりも、「守れた場面」にフォーカスして認めることが継続の力になります。
5. ごっこ遊びで「ルールある行動」を体験させる
- お店屋さんごっこ → 「順番に並ぶ」「お金を渡す」
- お医者さんごっこ → 「役割に応じた行動をする」
遊びの中で社会のルールを“体験”できるのが大きなポイントです。
ルールを学ぶ絵本・教材の活用
おすすめ絵本
- 『おやくそくえほん はじめての「よのなかルールブック」』(日本図書センター)
→ 家庭や園生活での基本ルールを親しみやすく学べる
- 『できたよ! アンパンマン おやくそく』(福音館書店)
→ ルールの意味や必要性を子どもの視点で考えさせてくれる
注意点:ルールに縛りすぎないバランス感覚を
子どもがルールに過敏になりすぎたり、「失敗=ダメ」と思いすぎると、試験本番で萎縮してしまうことも。
ルールを守ることは大切ですが、同時に「間違えても大丈夫」「やり直せる」ことも伝えておく ことが心の安定につながります。
まとめ:「ルールを守る」は受験における“信頼力”
家庭での対策まとめ
実践内容 | 育つ力 |
---|---|
ルールを繰り返し伝える | 指示理解・継続力 |
ルールある遊び | 集中力・社会性 |
お手伝い・役割分担 | 自己管理・責任感 |
ごっこ遊び | 社会性・想像力 |
肯定的な声かけ | 自信・習慣化 |
ルールを理解して守る力は、「この子なら安心して学校に迎えられる」と思ってもらうための“信頼力”につながります。
ペーパーや運動よりも目立たない部分ですが、入学後の学校生活を見越した、非常に大切な評価ポイントです。
毎日の生活の中で、楽しみながらルールを自然に身につけていけるよう、少しずつ積み重ねていきましょう。