小学校受験では、「記憶力」が非常に重要な力として評価されます。
特に、「先生の話を聞く→理解する→覚えて答える」 という一連の流れができるかどうかは、ペーパー試験や行動観察で必ず問われる要素です。
記憶力は、単なる暗記ではなく、聞く力・集中力・理解力 と密接に関わっています。
この記事では、年齢別にどんな記憶力トレーニングが有効か、日常生活での意識づけの方法、記憶力アップのための遊びやグッズ をわかりやすく紹介します。
小学校受験で見られる「記憶力」の種類
1. 聴覚記憶
耳から入った情報(先生の話や物語)を覚える力。
→ 口頭での指示に従う課題や、お話の記憶などで見られます。
2. 視覚記憶
見たものを覚える力(絵・図・順番・色など)。
→ 絵の記憶や、並べ替え、間違い探しなどで問われます。
3. 短期記憶+集中力
短時間での記憶定着と、集中して聞く姿勢が不可欠。
年齢別:記憶力を育てるトレーニング
【2〜3歳】
記憶の「芽」を育てる時期。感覚的な楽しさを大切に。
- 絵本の繰り返し読み(ストーリーやセリフを覚える)
- 絵カードで「これ何だった?」遊び
- 音楽や手遊び歌で、リズムに乗って覚える
日常のポイント
- 「昨日のおやつ、覚えてる?」など、日常の会話で記憶を刺激
- 経験を言葉にする習慣(「○○したね」「楽しかったね」)
【4歳前後】
「聞く→覚える→答える」基礎をつくる時期。
- 短い文章を聞いて内容を覚える練習(「○○が××して、□□へ行きました」)
- 絵の順番を記憶→並べ替える
- 絵の記憶:数秒見て、答え合わせをする
日常のポイント
- お買い物で「買うものを3つ覚えてね」
- お友達の名前・誕生日など、実生活で記憶する場面を増やす
【5歳〜受験直前期】
「正確に覚える・再現する」練習を強化する時期。
- お話の記憶(4〜6文程度)を聞いて、質問に答える
- 色や形、配置の記憶課題(順番・位置を問うもの)
- 言葉・数字の並びをそのまま言えるか(復唱ゲームなど)
日常のポイント
- 「3つのことを順番通りにやろう」など、マルチタスク記憶を取り入れる
- 学んだことを振り返る会話(「今日のお教室で何やった?」)
記憶力を高めるおすすめおもちゃ・グッズ
1. お話記憶カード・ドリル(くもん・学研など)
→ ストーリーを聞いて質問に答える練習にぴったり。難易度別に使いやすい。
2. 神経衰弱・絵合わせカード
→ 視覚記憶と集中力を鍛える遊び。年齢に応じて枚数を調整。
3. サウンドパズル・音あてクイズ
→ 音を聞いて覚える練習に。聴覚記憶に効果的。
4. 順番パズル・並べ替えあそび
→ ストーリーや色、形の順を覚えて再現する力を養う。
5. お手伝いミッションカード
→ 指示記憶+実行力を楽しみながらトレーニング。
記憶力を高める日常の工夫
1. 生活の中で「覚えること」をゲームにする
✅ 「ハンカチ・ティッシュ・水筒、準備できるかな?」
✅ 「朝の流れを3つ覚えて、できたら教えてね」
2. 絵本や経験を言葉にして振り返る
✅ 「あの時どんな動物がいたっけ?」
✅ 「今日はどんなことがうれしかった?」
3. 「覚えた」ことを褒めて、成功体験に
✅ 「3つ全部覚えてすごいね!」
✅ 「さっきのこと、よく覚えてたね。ママよりすごい!」
記憶力アップのコツ
1. 短時間 × 毎日継続が効果的
→ 10分×毎日が、30分×週1より記憶の定着に効果あり。
2. 声に出して覚える → 言語化が記憶を深める
→ 「言ってみよう」「教えてみよう」が一番のアウトプット。
3. 五感を使う記憶を意識する
→ 目で見て・耳で聞いて・体で感じて覚えると、記憶が定着しやすい。
まとめ:記憶力は“日常の会話”で育てられる
年齢別の記憶力育成ポイントまとめ
年齢 | ポイント | 活動例 |
---|---|---|
2〜3歳 | 感覚的な記憶の楽しさ | 絵本の繰り返し、歌、カード遊び |
4歳前後 | 聞いて覚える基礎づくり | 短文の記憶、順番遊び |
5歳〜 | 再現力・正確さの強化 | お話記憶、視覚・聴覚記憶ドリル |
小学校受験で必要な記憶力は、「知識の暗記」ではなく、耳で聞いて理解し、それをしっかり覚えて表現する力。
この力は、毎日の会話や遊びの中で、楽しみながら育てることができます。