はじめに——親の考えを明確にすることが合格への第一歩
小学校受験では、「親の教育理念」「家庭の教育方針」「志望動機」の3つが、願書や面接で問われる極めて重要な要素です。
✔ 「この家庭は、学校の教育方針に合っているか?」
✔ 「入学後も学校と一緒に子どもを育てていけるか?」
これを学校側は見極めようとしています。
しかし、いきなり「あなたの教育理念は?」と聞かれても、すぐに答えられる親は少ないもの。自分の考えを整理し、言葉にするには、適切な問いかけを通じて深掘りしていくことが大切です。
そこで今回は、「親の教育理念・教育方針・志望動機」を明確にするためのチェックポイントを紹介します。
「親の教育理念」を明確にするチェックポイント
教育理念とは、「どんな価値観を大切にして、子どもを育てていくか」という親の根本的な考え方です。
自分自身への問いかけ
✅ どんな大人に育ってほしいか?(例:思いやりのある人、挑戦できる人 など)
✅ 子どもにどんな力をつけてほしいか?(例:問題解決力、協調性、創造力 など)
✅ 親として、どんなことを大切にして子育てをしているか?(例:好奇心を大切にする、規則正しい生活を守る など)
✅ 自分の子育てに影響を与えた経験や出来事はあるか?(例:自分自身の幼少期の体験、尊敬する教育者の考え など)
具体的な回答例
✖ 「子どもが元気に育ってほしい」 → 抽象的すぎる
〇 「自分で考え、行動し、周囲と協力できる力を育てたい。そのために、家庭では子どもの『なぜ?』に寄り添い、一緒に考える時間を大切にしている」 → 具体的で説得力がある
ポイント: 「なぜそう思うのか?」を深掘りし、自分の言葉で語れるようにする。
「家庭の教育方針」を明確にするチェックポイント
教育方針とは、「家庭でどのように子どもを育て、教育していくか」という具体的な方針や実践方法です。
自分自身への問いかけ
✅ 普段の生活で、大切にしている習慣は何か?(例:読書習慣、家族の会話を増やす、ルールを守る など)
✅ 子どもの好奇心や学ぶ意欲をどう伸ばしているか?(例:子どもの「なぜ?」にしっかり向き合う、博物館や美術館に行く など)
✅ しつけやルールに関して、家庭でどのように指導しているか?(例:「ありがとう」を言う習慣をつける、ゲーム時間のルールを決める など)
✅ 家庭での役割(母・父の関わり方)をどう考えているか?(例:母は生活習慣のサポート、父は外での体験を増やす など)
具体的な回答例
✖ 「子どもには勉強を頑張ってほしい」 → 抽象的
〇 「家庭では、学ぶことを楽しめる環境を作るため、毎日の読み聞かせを欠かさず行い、子どもの興味を広げる工夫をしています」 → 具体的な実践が伝わる
ポイント: 「何をしているか?」を具体的に伝えることで、家庭の教育方針が明確になる。
「志望動機」を明確にするチェックポイント
志望動機とは、「なぜこの学校を選んだのか?」を明確にすることです。
自分自身への問いかけ
✅ この学校を知ったきっかけは?(例:知人の紹介、幼児教室で勧められた など)
✅ 学校の教育方針で共感した点は?(例:「探究心を育てる教育」「個性を伸ばす方針」など)
✅ 家庭の教育方針と学校の方針が合っている点は?(例:家庭でも「自主性」を大切にしているから など)
✅ この学校で、子どもにどのような成長を期待しているか?(例:多様な体験ができる環境で社会性を身につけてほしい など)
具体的な回答例
✖ 「貴校の教育方針に共感しました」 → 抽象的で説得力がない
〇 「貴校が大切にされている『探究心を育てる教育』に共感し、家庭でも日々の生活の中で子どもと一緒に考える時間を大切にしています」 → 具体的な理由が明確
ポイント: 「学校の方針」と「家庭の教育方針」が一致していることを示すと、説得力が増す。
まとめ——親の考えを整理することが合格への近道
✔ 「親の教育理念」は、子どもをどのように育てたいか?を深掘りする
✔ 「家庭の教育方針」は、普段の生活の中で実践していることを明確にする
✔ 「志望動機」は、学校の教育方針と家庭の方針が合っていることを伝える
面接や願書では、これらを具体的に、自分の言葉で説明できるように準備しておくことが大切です。
今回のチェックポイントを活用し、自分の考えを整理してみましょう。